首里城さんぽ 七転八起の首里城を歩く|ヒヌカンと「3」の数字に込められた琉球の祈り

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2026年9月27日(日)。沖縄近海には台風26号があり、近づきつつある朝でした。
空は少し低く、風がいつもより強めに吹いています。

この日は「首里城さんぽ」の日。
首里城さんぽは、沖縄の文化や歴史、そして先人たちの思いを知ってもらうために開催している企画です。

台風対策中の首里城へ

朝8時、守礼門前で待ち合わせ。
この日の首里城は、台風対策のためいつもと少し様子が違っていました。
守礼門に掲げられいる扁額「守礼之邦」は取り外され、歓会門も閉ざされています。

強風の為、守礼門の扁額は取り外しています。
台風対策のため、漏刻門からは入れず、廣福門手前の日影台と万国津梁の鐘は見る事はできます。
漏刻門の水時計の補助的な道具として使用されていた日影台(にちえいだい)という日時計。


今回、私たちは木曳門から入場しました。雨は降らず、風がやや強いだけの空模様です。

御開門と首里森御嶽

8時25分、奉神門の前で、王府のお役人に扮した職員さんによる「御開門(うけーじょう)」が行われます。

御開門の様子
首里森御嶽

奉神門の正面には首里森御嶽(すいむいうたき)。王朝時代、ここで国の安寧や無病息災が祈られてきました。
ちなみに、琉球神話において創世神「アマミキヨ」が神の島々をつくった際、最初に造ったとされる「真物(まもの:最高位の霊地)」の一つに数えられています。

七転八起の首里城

11月の公開に向けて、正殿の内装作業の様子もパネルで紹介されていました。

正殿内装作業のパネル

2019年10月31日、平成の首里城は焼失しました。
けれど首里城は、これまで何度もピンチを乗り越えてきた城です。築城年代ははっきりしていませんが、14世紀後半にはすでに首里城が存在していたとされます。
文献によると、正殿はこれまでに3度の火災に見舞われ、沖縄戦での焼失、そして今回の火災を含めると5度焼け落ちています。[ほか2回のピンチ]も合わせると、ピンチは7回。
まさに七転八起です。
そして今回、令和の首里城として7年ぶりによみがえります。

正殿公開日(11月23日)までのカウントダウン看板

ヒヌカン(火の神)について

琉球文化の特徴として、火の神(ヒヌカン)を紹介します。
ヒヌカン(火の神)について
歩きながら、火の神「ヒヌカン」の話をしました。
ヒヌカンは、火への畏敬と中国のかまど神信仰が結びつき、家庭の守護神として根付いてきた神様です。健康や豊作、出産などを日々祈る文化が、今も続いています。

① 家の守護神
家族の健康や安全、商売繁盛を祈り、穏やかな暮らしを守ってくれます。結婚や出産、子孫繁栄など、代々続く家の繁栄を見守る神様です。

② うとぅーし所(遠くの神々)への取り次ぎ役
御嶽やニライカナイの神々へ、願いをつないでくれます。

③ 「クェーブー(食べる運)」の神様
食事をいただけるよう見守ってくれます。わざわざ神社や御嶽に行かなくても、ヒヌカンに手を合わせれば祈りは届くとされています。

首里城の火の神は、正殿の「おせんみこちゃ」に祀られています。
漆塗りの格子戸は開かれることがなく、非公開。
そこには金の香炉があり、「御三物(おみちむん)」と呼ばれたそうです。

太陽・月・星(地球)で、三大自然神。

古来琉球では、太陽だけでなく、日・月・星を信仰してきました。


首里城の金の香炉は琉球開闢のころから受け継がれ、地球の芯に燃える御神火が息づいていると伝えられています。


琉球古神道では、「火」という字は太陽と月、そして命を宿す地球を表し、人と宇宙のつながりを示す「三つ巴」の関係を表しているといわれます。ヒヌカンは琉球の魂そのもの、宇宙の調和の象徴です。


首里城の火災は悲しい出来事でした。けれど火の神は、不死鳥のような存在とされています。そこには、首里城の再建と、琉球の魂の復活への願いが込められているのだと思います。


琉球では「3」という数字も大切にされてきました。
王都首里は「首里三平等(みひら)」と呼ばれる3つの区域に分けられ、王家の紋は左三つ巴、国政を担う役職は三司官。祭祀を司る神女の組織も3つありました。

首里城さんぽを始めたきっかけ

友人たちと歩きながら、琉球の祈りや歴史、水が豊富な首里のまちについて話しました。
案内しているときに、いつも思うのは「いま琉球、沖縄の大切なところを伝えていこう」
この言葉を私にかけてくださったのが、普天間直弘先生です。

親しい人からは「F先生」と呼ばれ、県内を拠点に足もみやスピリチュアルカウンセリングを通じて、人が本来持っている感覚を磨く大切さを伝えている方です。

F先生こと、普天間直弘先生とツーショット(2025年撮影)


先生から頂いたこの一言が、僕にとって『首里城さんぽ』をはじめるきっかけのひとつになりました。台風が近づく風の中で、友人たちと一緒に首里城を歩きながら、改めてその言葉の重みを感じていました。

台風対策にあたる職員さんたち。
子どもたちも一緒に

参加した感想をもらいました。

朝早くから10時半までの2時間30分。ゆったりと案内したあと、参加してくださった友人から、心に残る言葉をいただきました。

「子供たちにもわかる案内のおかげで、とても気持ちの良い時間になりました」
「足元にある琉球の歴史や文化に触れながら、いにしえの王国の様子を思い浮かべることができました」
「何度も訪れた首里城なのに、いつもは通り過ぎてしまう場所に、今回はいろいろな気づきがありました」

今回、台風の影響で入れない場所もあったのに「また次回も参加したい」と言っていただけたことが、何より嬉しかったです。


少人数で、ゆっくり歩く。
だからこそ、普段は見過ごしてしまう場所にも光が当たります。
沖縄の大切な場所を、ただ見るだけでなく、少しでも感じ、伝えていく。
その想いを胸に、これからも首里城さんぽを続けていきます。

おまけ

9月26日『東のアザナ』から首里から読谷まで一望。南国特有のスコールも見られます。

次回の首里城さんぽ開催のお知らせはLINEで先にお届けします
https://line.me/R/ti/p/@708iysqn

首里城の知識を試したい方は
「首里城クイズ」にもぜひ挑戦してみてください。

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