ぶじかえる×かえる隊長
今回は2024年11月30日に訪れた品川神社を訪れて——東京十社めぐりと「ぶじかえる」、そして浄財の話についてご紹介します。
都会の喧騒からふっと離れた場所にひっそりと佇むこの神社、ただの観光スポットというより、長い時間をかけて人々の願いや想いを静かに受け止めてきた「場」だと感じました。

東京十社めぐりの一社、品川神社へ
境内に入ってすぐ、黒い案内板が目に留まりました。「元准勅祭神社 東京十社めぐり THE 10 JINJA OF TOKYO」と大きく記され、地図とともに10社の名前がずらりと並んでいます。
元准勅祭神社とは、明治元年(1868年)に明治天皇が東京へ移った際、皇居の守護と国家の平穏を祈るため、勅使を遣わす「勅祭社」に準ずる神社として、明治政府が定めた12の神社だそう。

- 根津神社
- 神田神社
- 亀戸天神社
- 白山神社
- 王子神社
- 芝大神宮
- 日枝神社
- 品川神社
- 富岡八幡宮
- 氷川神社
品川神社は明治元年、明治天皇が東京の安寧を祈って准勅祭社に定めた神社のひとつ。
さらに歴史をさかのぼると、源頼朝が1187年に海上交通の安全を願って勧請したという由緒もあり、歴史好きとしては思わず胸が熱くなりました。
江戸時代には徳川家康が関ヶ原の戦いの戦勝祈願を行い、勝利のお礼として「天下一嘗の面」や葵神輿を奉納したというエピソードも。将軍家からも厚く崇敬されてきた歴史があり、今も「東海七福神」の大黒天を祀る場所として、商売繁盛や金運を願う人々が訪れています。
富士塚と「ぶじかえる」——無事に帰る、という願い
石段を上がっていくと、都内最大級ともいわれる富士塚(品川富士)が現れます。高さ約15mのミニ富士山で、これを登ると本物の富士山に登拝したのと同じご利益があるとされる、富士信仰の名残なのだそうです。

その近くで出会ったのが、愛らしい石のカエルの像。横には黒い石碑があり、「交通旅行安全守護 ぶじかえる」と刻まれています。「無事に帰る」と「カエル」をかけた、なんとも日本らしい言葉遊びですよね。旅の安全、日々の行き帰りの無事を願う人々の気持ちが、素直に形になっているのを感じました。強い日差しが差し込む様子もとても美しく、思わず手を合わせたくなる場所です。
家族や自分自身の安全、日常のなかにある小さな「無事」を、改めて大切に思わせてくれる。このカエルは、そんな日々の願いをそっと受け止めてくれる存在なのかもしれません。
浄財の話——清らかなお金の力
境内を巡るなかで、「浄財」についての話にも触れる機会がありました。
神社では、氏子や崇敬者からの「御浄財」(清らかな気持ちで捧げられるお供えや寄付)が、社殿の維持や祭事、地域の守りに活かされています。令和の御大典記念事業でも、多くの方々の浄財によって社殿などが修復されたのだそうです。
なかでも印象的だったのが、阿那稲荷神社にある「一粒萬倍(いちりゅうまんばい)の泉」。ここでお金を清めると、一粒の種が万倍に実るように、金運や商売繁盛のご利益があると言われている人気のスポットです。
ご利益と作法
- 御神水でお金や印鑑を洗うと、金運が何倍にも膨らむといわれている
- 洗ったお金(浄財)は貯め込まず、有意義に使うことでさらに運気が巡るとされる
ただ「お金が欲しい」と願うのではなく、お金を清めてから使う——つまり浄財としての意識を持って扱うことが大事なのだと、あらためて感じました。お金は「エネルギー」。清らかな気持ちで扱うことで、良い循環が生まれる。品川神社は、そんな当たり前だけれど忘れがちなことを、静かに教えてくれる場所でした。歴史の重みと、現代を生きる私たちの日常の願いが、きれいに重なっている——そんな印象を受けました。
訪れてみて
品川神社は、京急線・新馬場駅から徒歩すぐ。アクセスも良く、忙しい日常の合間にふらっと立ち寄れる場所です。東京十社めぐりを少しずつ進めていくのも楽しいですし、富士塚を登って「ぶじかえる」に手を合わせるだけでも、心がすっと軽くなるような気がします。
神社は「願いを叶えてもらう場所」というより、「自分の今の在り方を整える場所」なのかもしれません。歴史を感じながら、静かに自分と向き合う時間は、とても贅沢なひとときでした。


沖縄へ「無事帰る」空の旅
そして後日談をひとつ。品川神社を訪れたあと、沖縄への帰路につく機上から、見事な雪化粧を纏った富士山を見ることができました。青く澄み渡った空の下、真っ白な富士が静かに佇む姿は本当に美しく、思わず息をのむ瞬間でした。

「ぶじかえる」に手を合わせてきたばかりだったこともあり、この景色に「無事に帰る」の願いが重なったようで、なんだか特別なご縁を感じずにはいられませんでした。旅の締めくくりに、こんな贈り物のような景色が待っているとは
品川神社のご利益を、しみじみとかみしめた空の旅でした。


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