台湾で【日本精神】を知る vol.8

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2024年8月、台湾人の友人の誘いで台湾を旅してきました。
旅のテーマは【日本精神を知る】ということ。友人から一通のメッセージを頂きました。

世界一の親日国台湾。
台湾は東日本大震災の際、世界で一番早く救援隊を派遣してくれ、また震災後に台湾だけで250億円(全世界から600億円強)という、世界一の義援金を出した国です。
『なぜ台湾は日本にこんなに心を寄せてくれるのか?』
また、台湾で使われていた「日本精神」とは、どんな意味のものか、このツアーでかつて台湾のために命をかけて尽くした多くの日本の先人たちの史跡を通じ、その息吹を感じ、次の日本を担っていく私たちの使命を学びたいと思います。

今回の旅は、特別な台湾ツアーになります。
井の中の蛙大海を知らずと言いますが、歴史はさまざまな視点からアプローチすると実像が見え、知らなかった事が分かります。

金山として栄えた「九份」の歴史

観光名所の九份は、台湾北部にあり清の時代に9世帯しかなく品物を買うときにいつも「9つ分」と言っていたことから由来しています。1890年以降金鉱が発見されゴールドラッシュで栄えましたが、1971年に金鉱が閉山して以降、町は廃れました。

そして台湾映画『非情城市』のロケ地となったことで再び注目を浴び、有名な観光スポットになっています。

狭い路地に、多くの人たちが訪れその独特な雰囲気を楽しんでいます。

映画「千と千尋の神隠し」のモデルに激似のロケーション

阿妹茶樓(あはちゃや)の外観

九份にある「阿妹茶樓(あはちゃや)」は、2001年に公開された映画「千と千尋の神隠し」の舞台に似ていることで知られ建物の外観や町の雰囲気などは「油屋」に似ています。

© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM(千と千尋の神隠し)より

直接のモデルになったかどうかについて、宮崎駿監督は九份を訪れたことが無いと明言しているそうです。ジブリファンの憶測では愛媛の「道後温泉本館」や群馬の四万温泉がある「積善館」がある温泉地ではないかと噂されています。

しかし、九份がこの映画と関連が無いからと言って残念がる訳ではないですが、映画と台湾について感じたことについて考察したいと思います。

アニメ映画「千と千尋の神隠し」の考察

アニメの舞台「油屋」は、異世界にあるお湯屋さんで、八百万の神々をおもてなしするため油屋前には多くの飲食店が立ち並んでいます。主人公の両親は美味しそうな食べ物の香りに誘われて、勝手に飲食してしまった為、食欲に負けてブタになります。異世界の設定は面白い。

© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM(千と千尋の神隠し)より

すぐに夕刻(現実と異世界では時間の感覚が違う設定)から夜になり、八百万の神々が船から下船してきます。
(この台湾ツアーで、先住民族の精神にも八百万の神々の話しがあり、日本神道と共通していると思いました。)

神々が「油屋」というスパリゾートに訪れて、疲れや垢を落とし現実の世界へ戻っていきます。お風呂に入って疲れを癒す神々の行動って人間に似ていますよね。
おもてなしをするのはナメクジのような女、カエルのような男。ボイラー管理は釜爺という6本の腕を持ち、薬湯を調整する蜘蛛のようなキャラクターが印象的です。

主人公の女の子の「千尋」は、オーナー魔女の湯婆婆と契約をして働くことができます。契約書には人間だった千尋は名前を奪われ「せん」と呼ばれます。忙しい日々を過ごしていると、いつの間にか自分の名前を忘れていきます。

名前を忘れるとは「氏名」を忘れる=「使命」を忘れること、日常が自分の生きる現実だと思い込んでしまうというでしょうね。両親はブタになって自分のことも忘れてしまいますが、手助けをした少年「はく」は、千尋に使命(両親を助けて、現実へ戻ること)思い出す機会を与えてくれます。

物語では、千尋に付きまとう「カオナシ」についてはじめは神さまなのかと思いましたが、映画のパンフレットでは正体不明と書かれていたそうです。
カオナシは欲望の為に金や美味しい物をたくさん食べたいなど、千尋に優しくされたことで行動がエスカレートしていきます。欲望の心を描いたキャラクター(神ではない)です。

© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM(千と千尋の神隠し)より
© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM(千と千尋の神隠し)より

※オチになりますが、少年「はく」は千尋が幼かった頃、おぼれた川の主でしたが魔女の湯婆婆の手下になっていました。彼も湯婆婆に名前を取られていましたが、思い出す事ができ白龍に戻りハッピーエンドが待っています。


3泊4日の台湾ツアーで「日本精神」を知ることについて、戦後日本人が豊かさを求めいつしか忘れた【日本精神】が、台湾には残っていたということでした。

2024年の干支は龍年に、台湾を訪れて沢山の学びを得る事ができました。
友人たちに感謝、感謝、感謝。ありがとうございます。また台湾に行こう♪

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