日本代表トム・ホーバスHCの言葉から学ぶ

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パリオリンピックが2024年7月26日に開幕、開催地と時差があり日本代表選手の活躍が気になり寝不足が続きそうです。
さて、私が注目している日本男子バスケットボールチームは「AKATUKI JAPAN」と呼ばれています。ご存知の方も多いと思いますが、バスケットボールは男女ともに世界でも競技人口がとても多く、人気のあるスポーツです。近年、国内プロバスケットボールBリーグの盛り上がりと共に、日本代表の躍進が素晴らしかった。

日本男子バスケットボール代表ヘッドコーチのトム・ホーバスさんの選手を信じるさせるチカラ。そのチカラが躍進に繋がっています。バスケットボールW杯2023沖縄大会での日本男子代表の活躍は記憶に新しいと思います。ホーバスさんの教えはビジネスの面でも、参考になりますので記事でご紹介します。

日本を照らす代表チームに

バスケットボール日本代表のニックネームは、このブログ名と同じ「暁」という字が使われています。なんとも誇らしいです。
バスケ好きな私が意識して命名したブログ名ですが、実は偶然です。バスケットボールについて知らない人もいると思いますので、日本のバスケットボールについてご紹介します。

日出ずる国・日本の日の出、すなわち「暁 (あかつき)」 は、日の丸に通じる日本を象徴するモチーフであることから、いままさに世界に挑戦し、世界に羽ばたこうとする日本代表チームに「日の出の勢い」をもたらすという思いを込め、5人制男女・3人制男女のカテゴリーにかかわらず、日本代表チームのニックネームを『AKATSUKI JAPAN』としました。
バスケで日本を元気に』の理念を『日の出の勢い』をもって実現し、日本代表チームが日本を明るく照らす存在となることをオールバスケで目指します。誰もが憧れ、応援したくなる日本代表チームとなり、選ばれた選手が誇りをもって世界と戦う姿を、多くの方々に心を一つにして応援していただきたいという願いが込められています。
引用:公益財団法人日本バスケットボール協会

長い冬の時代を抜けて、新時代へ

この愛称「AKATUKI JAPAN」は2016年に発表されました。かつて日本代表は「ハヤブサジャパン」と呼ばれていましたが、以前より日本男子国内リーグが分裂していた問題があり国際バスケットボール連盟(FIBA)から国際試合停止の制裁を受けていました。

統一されたBリーグがした誕生したことでその制裁が解除。そして新たな愛称でスタートしました。Bリーグが発足して全国各地に、多くのプロチームが誕生してスター選手も生まれてきました。その影響もあり、日本代表が強化さていきました。バスケットボールW杯2023沖縄大会の対戦結果で、48年ぶりオリンピック自力出場が決定しパリオリンピックに出場することができました。

負けは負けでも「希望が持てる3連敗」

日本男子代表(FIBAランキング26位)は、予選を突破してベスト8がチームの目標でした。「ショック・ザ・ワールド」世界に驚きを届けたい!と、ヘッドコーチのトム・ホーバスさんは開催前にはっきり目標を設定し伝えます。

日本男子代表と同じ組のドイツはバスケW杯2023の優勝国、そして自国開催のフランスは前回銀メダルを獲得した実力で高さが武器の強豪、ブラジルも日本より格上の存在です。
それに対し日本男子代表は、NBA名門ロサンゼルス・レイカーズに所属する八村塁選手や昨シーズンまでNBAに在籍し日本代表を鼓舞しつづけた渡邊雄太選手、今季NBAにチャレンジする代表の若き司令塔河村勇輝選手の活躍があり、フランス戦では延長戦にもつれる大接戦を演じ、結果は負けましたが確かな爪痕を残す素晴らしいものになりました

男子トーナメント(グループB)

2024年7月27日(土)
ドイツ 97 - 日本 77

2024年7月31日(水)
フランス 94  - 日本 90

2024年8月2日(金)
ブラジル 102 - 日本 84

結果的に3連敗でパリオリンピックを終えましたが、東京オリンピックの3連敗とはぜんぜん意味が違います。前回は開催国枠で出場でしたが、自分たちの勝利でオリンピック出場の切符を掴み取って出場した日本代表。そのフランス戦は最後まで目が離せない勝負になり、日本バスケの希望が見えた瞬間になりました。

トム・ホーバスHCについて

トム・ホーバスさんは、アメリカ出身のバスケットボールプレイヤー、ヘッドコーチ(以下、HC)です。
1990年に日本リーグのトヨタ自動車(現・アルバルク東京)に入団。日本で10年以上プレーし4年連続得点王や3ポイント王などを獲得。1995年に日本人女性と結婚。2017年に女子日本代表のHCに就任し2021年開催の東京オリンピック2020では、日本史上初の銀メダル獲得に導きました。2021年9月に男子日本代表のHCに就任しました。

コーチングは信じること

2024年3月に那覇市内で開催されたトムさんの講演会で、沖縄で開催されたW杯について感想を聞かれ「地元の沖縄の応援が後押しとなり、選手たちが負けないと信じたことが結果につながった」と信じることの大切さを説いています。負けないと信じる気持ちについて、5人兄弟の末っ子で「負けず嫌い」、兄たちに負けないように少しづつ自信をつけた経験が生きていると話し、そして選手時代でも負けるのは嫌いでコーチになっても同じ。熱く指導すると選手たちにも伝わると語りました。
最高のチームをつくる為のコーチングについて、日本刀の鍛錬過程と似ていると表現しています。それは刀鍛冶は合金を溶かし、熱し、叩き、冷やす、これを繰り返します。

以前のインタビュー記事を読んだ中でも、日本のスポーツ界を見ると代表に入るようなトップレベルの選手でも自分に自信を持っていない選手が少なくないと感じており、その原因はジュニア時代に「自尊心」が育っていないことを指摘していました。練習でとても良かったのに、ゲームではその力が発揮できなない。その原因はどこにあるのか探っていました。

バスケットボールは身長が高い選手が有利なスポーツです。日本人は体格差で負けますが練習量が多く、スピードと粘り強いディフェンスで勝負できます。そして最大の武器として3ポイントシュートを多様する戦術を選びました。トムさんの練習は最初から最後まで集中してやるそうです。集中力がなくなったらコミュニケーションを取るように心がけいました。

大きな結果を残すには組織マネジメントとして各選手と1対1で話すこと。
話すことで自信をつけるそれぞれの関係性を築くことが大切と説いています。

リレーションシップの大切さ

東京オリンピックから少し男子日本代表チームの雰囲気が変わって、固定観念の変化(マインドセット)がありました。「楽しくやったほうがいい」ことと、Bリーグが発足してプロ意識が芽生え「自分の体に投資する」という意識が大きく影響したということです。
そしてコーチングをしていて「心から信じている人は、返事が違う」と言います。自分の信念を信じていて、選手同士も信じている。選手たちに【自信を持って】と魔法の言葉を使い続けました。トムさんは怒ると怖いと有名です。それは上手くなって欲しいと願っているから。選手たちもその気持ちを理解して自分を表現してほしいそうです。そしてリレーションシップを大切にしています。関係を築くため母国語の英語ではない日本語で伝え、日本語を間違えることも気にせず、情熱で伝えるということでした。

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